自問自答史。

自問自答史。土から風に乗るために今までの自問自答を滑走路にしたいと思い筆を取ります。

小話4 いちごジャム

今日はいちごジャムをつくった。

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これまでは母の担当だったジャム作りがついに私に回ってきた。いちごと三温糖、レモンの搾り汁しか入れないのが母流。私もそれに倣い作ってみたのだが、やはり母の味にはならない。この世の永遠に解けないふしぎのひとつ。"母の味は再現できない。"

 

母は本当にドライで感情があまり見えない、かと思えば急にヒステリックで子どもっぽ!と思ったり、母いうより友達のような感覚だ。勉強が嫌いで、本読むのも嫌いで、全然外の世界にも興味がないと言っているし、友達も別にいらないらしいし、自分でも何が楽しくて生きてるんかよくわからんとよく言っていて、私とは本当に正反対な母。

 

しかし、作ることは得意で、手芸教室をしたり、花屋で働き、昨年の姉の結婚式の花飾りを作ったり、このあいだはドライフラワーにしたその花飾りをリースにして家に飾ったりと

工夫して、何かを作ることは好きなんだろうなと見てて思う。彼女にとって料理もその一つなのだろう。昔から色々な料理を作ってくれて、私が一人暮らしを始めて色々自炊しても、やはり母の味付けを真似たものが1番美味しいと思うのだ。

 

ただ、やはり実家に帰るたびに、私が作ったものは決して母の味にならないことに気付く。味付けも分量も合っているはずなのに何か違う。やっぱり美味しいのだ。

 

なんで味付け一緒なのに、味違うんやろ?と聞いたら、ハッと小さく笑い、何年主婦やってると思って、という返事が返ってきて、相変わらずドライだなと思う。私のジャムも美味しく食べてくれたらいいが。